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沖野政信行政書士事務所

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​相続の基礎知識(Q&A)

1.相続って何?

2.相続人は誰でもなれるの?

3.「法定相続人」とは誰のこと?

4.「法定相続人」であれば誰でも財産をもらえるの?

5.相続財産の分け方はどのようにしてきめられるの?

6.代襲相続の場合の相続分はどうなるの?

7.相続人でない人にも財産はあげられるの?

8.相続人でない人に財産をあげるにはどうすればいいの?

9.遺留分って何のこと?

10.遺留分の対象となる財産の範囲は?

11.被相続人の財産作りに貢献した人は何か有利になることあるの?

12.被相続人が生きている時に財産をいっぱいもらった人はどうなるの?

13.相続したくない場合はどうすればいいの?

14.相続財産をあげたくない人がいる場合はどうしたらいいの?

15.相続人がいない場合の相続財産はどうなるの?

1.相続ってなに?

相続とは、人が死亡した時や生死がわからない人が失踪宣告を受けた時に、その死亡した人(失踪宣告を受けた人)が所有していた財産を家族などが自分のものとしてもらうことです。

このとき死亡した人を「被相続人」、財産をもらう人を「相続人」と言います。

 

そして相続は人が死亡したそのときに発生します。

2.相続人は誰でもなれるの?

相続人はだれでもなれるわけではありません。民法で定められています。この民法の定める相続人になることができる人を「法定相続人」と言います。

3.「法定相続人」とは誰のこと?

法定相続人は「配偶者相続人」と「血族相続人」の2本立てになっています。配偶者相続人とは被相続人の妻または夫のことです。
血族相続人とは被相続人の子(直系卑属)、直系尊属(父母など)、兄弟姉妹(甥、姪)が該当します。

4.「法定相続人」であれば誰でも財産をもらえるの?

誰でも平等の立場で財産をもらえるわけではありません。
配偶者、子、父母、兄弟姉妹の立場で相続順位がこれも民法で定まっていて、次のようになっています。

① まず配偶者はどんな場合でも常に相続人になります。

② 子、父母、兄弟姉妹の間での順位は次のようになります。

    子が第1順位、父母が第2順位、兄弟姉妹が第3順位


これはどういうことかと言いますと第1順位の子がいれば、第2順位の父母及び第3順位の兄弟姉妹は相続人になることはできないということです。

 

子がいなくてはじめて第2順位の父母が、子も父母もいなくてはじめて第3順位の兄弟姉妹が相続人になることができます。

 

そのほかに注意すべき点として次のことがあります。

 

  1. 内縁の妻や夫は配偶者としては認められません。婚姻による法律上の配偶者しか認められていないということです。

  2. 子については実子であるか養子であるか、また嫡出子(法律上の夫婦の子)であるか非嫡出子(婚姻届をしていない男女の間の子)であるかを問いません。 ただし、非嫡出子は父親の相続については認知された子でなければ相続人になれません。

  3. 胎児は第1順位の相続人である子になります。ただし死産の場合は最初からいなかったものとされます。

  4. 子がいないときに孫がいる場合、つまり親より先に子が亡くなっていて孫がいる場合はその孫が子になり代わって相続人になります。これを「代襲相続」と言います。

  5. 同様に兄弟姉妹が相続人になった場合に、兄弟姉妹が亡くなっていてその子(甥、姪)がいる場合もその甥、姪が兄弟姉妹になり代わって代襲相続することができます。

  6. 兄弟姉妹の場合、代襲相続は甥、姪までですが、子の場合は孫がいないときはひ孫… というように直系卑属のラインを何代でも代襲することができます。また、この代襲相続について、子が養子の場合は、養子の子が養親の直系卑属でないと代襲相続はできません。たとえばすでに子を持つ人が養子になった場合はその養子の連れ子は代襲相続できないということです。兄弟姉妹の子が代襲相続する場合も同様に被相続人との親族関係が要求されることになります。


<ポイント>

①法定相続人の相続の優先順位が民法で定められている。

②配偶者はどんな時でも相続人になる。

③順位は、第1順位が子(又は代襲者)、

               第2順位が直系尊属(父母など)

               第3順位が兄弟姉妹

5.相続財産の分け方はどのようにして決められるの?

 相続人が複数人いる場合、財産の分け前をどうするかが問題になります。つまり「相続分」が問題になるわけです。

 

この相続分は「遺言」で指定することができますが、遺言がない場合や遺言があっても相続させる財産の指定がない場合などは相続人の話し合いで決めることになります。

 

そのときに基準となるのが「法定相続分」で、民法で次のように定められています。

 

[配偶者と子が相続人の場合]

  • 配偶者が1/2で、残りの1/2を子が頭数で均等に分けます。

  • ただし、子のなかに嫡出子と非嫡出子がいる場合は非嫡出子の相続分は嫡出子の1/2となります。

   ※ H25.12.4民法改正により但し書き条項は削除されました。

  • 養子は嫡出子として扱われます。

 

[配偶者と直系尊属(父母など)が相続人の場合]

  • 配偶者が2/3で、残りの1/3を直系尊属が頭数で均等に分けます。


[配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合]

  • 配偶者が3/4で、残りの1/4を兄弟姉妹が頭数で均等に分けます。

  • ただし、兄弟姉妹のなかに全血兄弟(父母の両方が同じである兄弟)と 半血兄弟(父母の一方のみが同じ兄弟)がいるときは、半血兄弟の相続分は全血兄弟の半分となります。


[配偶者のみ、子のみ、直系尊属のみ、兄弟姉妹のみが相続人の場合]

  • 配偶者のみの場合はひとりで全部

  • 子のみ、直系尊属のみ、兄弟姉妹のみの場合はそれぞれ頭数で均等に分けます。

  • ただし、前述の非嫡出子と半血兄弟の相続分の決まりが適用になり、それぞれ嫡出子、全血兄弟の2分の1となります。

6.代襲相続の場合の相続分はどうなるの?

代襲相続人の相続分は、親がもらうはずだった相続分と同じです。

なお、代襲相続人においても、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1となります。

7.相続人でない人にも財産はあげられるの?

相続人でない人にも財産をあげることはできます。死亡した人(被相続人)は自分の意思で相続分を決めることができるのです。


このように相続人の意思による相続分を「指定相続分」と言って法定相続分より優先します。


この相続分の指定は必ず「遺言」の形式によることが必要です。


自分の財産をどう処分するかは、原則本人の自由ですが、これは相続財産についても同じで、被相続人の意思が尊重されるのです。


ただし、いくら自由といっても無制限に通用するわけではありません。一定の法定相続人には「遺留分」という最低保障された相続遺産の取り分があり、この部分に食い込むような相続分の指定は認められません。ただし、遺留分を侵害している遺言をしても直ちに無効になるものではありません。

8.相続人でない人に財産をあげるにはどうすればいいの?

”相続人でない人にも財産はあげられるの?”で説明したとおり、法定相続人ではない人にも自分の財産をあげることができますが、その場合は遺言の形式をとる必要があります。


被相続人が自分で財産を受け継ぐ人を決め、遺言によって与えることを「遺贈」と言います。この遺贈を受ける人を「受遺者」と言いますが、受遺者は相続人でも相続人でなくてもかまいません。
なので、息子の嫁や内縁の妻や愛人など相続権のない人にも財産をあげることができます。


遺言は方式により種類、要件などが民法で定まっています。

詳しくは”遺言の基礎知識(Q&A)”をご覧になって下さい。

9.遺留分ってなんのこと?

遺言で財産をだれにどれだけ与えるかは自由です。
しかし、たとえば全財産を他人に与えてしまえば残された家族は生活できなくなってしまう恐れもあります。

そのため民法は、一定の範囲の相続人には最低限これだけは相続できるという財産を確保することにしてあります。これを「遺留分」と言って、被相続人もこの部分だけは自由に処分できません。


遺留分が認められているのは、配偶者、子とその代襲者、直系尊属です。兄弟姉妹には遺留分がありません。


遺留分の割合は相続人全体で相続財産の2分の1です。ただし、相続人が直系尊属のみの場合は相続財産の3分の1になります。
これを法定相続人の法定相続分で配分したものが各相続人の遺留分となります。


遺留分を放棄することについては、相続開始後であれば自由です(遺留分侵害額請求をしないだけのことです)が相続開始前の遺留分放棄は家庭裁判所の許可が必要です。


なお、相続人の一人が遺留分放棄をしても他の相続人の遺留分に影響を与えません。

10.遺留分の対象となる財産の範囲は?

遺留分を算定するときに、基となる財産は、被相続人が死亡時に持っていた財産のほかに贈与した財産を加えたものから負債を差し引いたものになります。


      遺留分算定対象額=相続財産+贈与財産ー負債 


まず、相続開始前1年間になされた贈与は無条件で対象財産になります。
さらに1年より前の贈与であっても贈与者(被相続人)と受贈者の双方が遺留分を侵すだろうと承知のうえで(悪意で)行ったものは対象になります。


また、相続人のうちのだれかが被相続人から「特別受益」に当たる贈与を受けていた場合は、相続開始前10年間になされた贈与は無条件で対象財産になります。さらに、悪意の場合は10年前より前のものも対象になります。

11.被相続人の財産作りに貢献した人は何か有利になることあるの?

被相続人の生前中に被相続人の事業の手伝いや資金援助や療養看護などをして被相続人の財産形成に特別の貢献をした人はその度合いに応じて相続分が増加することになります。これを「寄与分」と言います。


この寄与分が認められるのは相続人だけであり、たとえば相続人ではない兄弟が事業資金の提供をしたとか事業の手伝いをして貢献したとしても遺産の中から寄与分はもらえません。


そしてまた、この寄与分というのは“特別の寄与”でなくてはならず、夫婦間あるいは親子間の通常の助け合い程度では対象にはなりませんので注意が必要です。


寄与分をもらえる人がいるときは、はじめに相続財産から寄与分に相当する額を除き、残りの相続財産を指定または法定相続分で分けて、その後に寄与分を寄与者に加算する方法がとられます。


問題なのはその寄与分の額の決め方ですが、相続人どうしの話し合いで決めることになっています。現実的には「遺産分割協議」の場で寄与分を考慮した遺産分けがなされることになります。


もしこの協議が調わないときや協議ができないときは、寄与者の請求にもとづき家庭裁判所が一切の事情を考慮して定めることになります。

12.被相続人が生きているときに財産をいっぱいもらった人はどうなるの?

被相続人の生前中に被相続人からマイホーム資金の頭金を出してもらったり、開業資金を援助してもらうなど、特別の利益を受けている場合、この人を「特別受益者」と言って、この特別受益者が受けた贈与の額を相続財産に加えて(このことを持戻しと言います)、その額をもとにして各相続人の相続分を決めることになります。


特別受益に当たるのは婚姻や養子縁組のため、もしくは生計の資本としての贈与です。

生計の資本とは前に述べたような住宅資金や開業資金、あるいは農家における農地などを指し、通常の生活費や学費などは含まれません。


また、これらの生前贈与のほかに、相続人が受ける遺贈はすべて特別受益になります。


特別受益者がいる場合の相続分の算出方法は、まず、相続開始時の財産に特別受益分を加算します。この特別受益分を加えた財産(みなし相続財産)を指定相続分または法定相続分で各相続人に配分します。


その後、特別受益者についてはここから特別受益分(遺贈および贈与の額)を差し引いたものが相続分となります。


計算の結果マイナスになることもありますが、そのときは相続分がなしになるだけで、マイナスの分を返す必要はありません。

13.相続したくない場合はどうすればいいの?

相続とは、被相続人の権利義務を一切受け継ぐということであり、財産だけもらって借金は相続したくないというわけにはいきません。


それでは、多額の借金を残した父親の代わりに子が必ずその借金を抱え込まなければならないのかというと、そうとは限りません。


相続人は相続をする(承認)、しない(放棄)を選択することができます。


プラスの財産より債務のほうが明らかに多いときは「相続放棄」するのが賢明です。「相続放棄」をすると、その人ははじめから相続人ではなかったことになります。


プラスの財産とマイナスの財産(債務)のどちらが多いのかはっきりしない場合は、相続放棄すべきかどうか迷うことになると思いますが、こんな時は「限定承認」という方法があります。

限定承認とは、相続財産の範囲内でのみ債務を弁済することを条件にして相続を承認するものです。

限定承認をするには、財産目録を作成し、相続人全員が共同で行わなければなりません。一人でも反対をする者がいるとできないということになります。
これらのために、現実にはあまり行われてはいません。

相続放棄や限定承認をするには、いずれも自分が相続人になったことを知った日から3ケ月以内に家庭裁判所にその旨を申述しなければなりません。

この期間を過ぎてしまえば単純承認、つまり無条件に相続を承認したものとみなされます。


また、相続財産を一部でも処分(売却、贈与、消費など)した場合は単純承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなってしまいます。

14.相続財産をあげたくない人がいる場合はどうしたらいいの?

配偶者や子からひどい虐待を受けた場合などで、その者にビタ一文財産をあげたくないときは、その相続人(になるであろう人)を相続人の地位から外すことができます。これを「相続人の廃除」と言います。


廃除の対象になるのは遺留分を持つ相続人、つまり、配偶者、子とその代襲者、父母等の直系尊属です。


廃除したい相続人(になるであろう人)がいるときは、家庭裁判所に廃除請求の申立てを行うことが必要です。また、遺言書のなかでその旨を意思表示をすることもできます。この場合は遺言執行者が申立てをすることになります。


ただ、この相続人の廃除の理由として認められるのは、被相続人に対する虐待、重大な侮辱、その他著しい非行があった場合だけであり、そのときでも一時の激情による暴力や単なる素行不良だけでは通常は認められません。


廃除を認めるかどうかは家庭裁判所が家庭環境などの非行の原因まで踏み込んで個別に判断することになります。


なお、廃除の確定後、被相続人は家庭裁判所への請求または遺言によって、いつでも廃除を取り消すことができます。また、いったん廃除された者に遺贈することも可能です。

15.相続人がいない場合は相続財産はどうなるの?

相続人がいない場合やいるかいないかはっきりしない場合(相続人不存在の場合)は、所要の手続きを踏まえた後には特別縁故者に分配されることもあり得ます。


ただ、それに至るまでの道のりは大変は長く、概ね次のような手順を踏んでいきます。

 

  1. 家庭裁判所が相続財産管理人を選任し公告(第1回)

  2. この1回目の公告で2ケ月以内に相続人が明らかにならなかった場合は相続財産管理人がすべての相続財産の債権者、受遺者に対して請求申し出の公告(第2回公告)

  3. この2回目の公告でも2ケ月以内になお相続人が明らかでない場合は家庭裁判所が相続人の捜索の公告(第3回目)

  4. この3回目の公告でも6ケ月以内に相続人の権利を主張する者が現れないときは、特別縁故者の請求により、家庭裁判所は清算残余の相続財産を特別縁故者に分配することが出来ます。

  5. ただし、この請求は第3回目の公告の満了後3ケ月以内にしなければなりません。


  なお、特別縁故者とは次の者を言います。

   (ア)被相続人と生計を同じくしていた者

   (イ) 被相続人の療養看護に努めた者

   (ウ) その他被相続人と特別な縁故があった者


以上の経過手順を踏まえても処分されない相続財産が国庫に帰属することとなります。