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沖野政信行政書士事務所

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遺言の基礎知識(Q&A)

1.遺言が必要な人は?

まさかうちの家族に限って相続争いなど起こるはずがないとか、うちには争うほどの財産が無いから遺言など必要がないなどと多くの人は言いますが、現に悲惨な相続争いを繰り広げている例も少なくありません。そんな家族の被相続人も生前は同じように考えていたに違いないのです。

 一般に遺言が必要と思われるケース は次のようなケースです。

① 夫婦の間に子供がいない 

② 内縁の夫婦(婚姻していない)である 

③ 世話になった長男の嫁にも財産をあげたい

④ 妻(夫)が認知症である

⑤ 行方不明の子供がいて、音信不通である 

⑥ 事業を継ぐ長男に事業用の財産を相続させたい 

⑦ 障害のある子供の将来が心配だ 

⑧ 暴力を振るう息子にはビタ一文財産をやりたくない 

⑨ 相続人がだれもいないので社会のために役立てたい 

 

他にも遺産分けでもめそうなケースとして次のようなものがあります。

 

⑩ 家族(相続人)どうしの仲が悪い 

⑪ 今の妻(夫)との子のほかに先妻(先夫)との子供がいる 

⑫ 家族に内緒で認知した子供がいる 

⑬ 相続人の数が多い 

⑭ 自宅以外にこれといった財産がない

 

また、最近では次のようなケースも増えつつあります。

 

⑮ 自分が死んだら可愛がっているペットの面倒を誰かに頼みたい

2.遺言書に書けるのはどんなこと?

遺言者は遺言書に自分の意思を自由に書くことができますが、遺言書に書いたことがすべて相続人に対する法的効力を持つことにはなりません。

遺言として法律的な効力が生じる事項は、民法その他の法律で限定されており、これを「法定遺言事項」と言います。相続分や遺産分割の指定など、その主なものは次のとおりです。

 

逆の言い方をしますと、これ以外のことを遺言書に書いても法的効力は生じないということです。

 

たとえば「葬儀は身内だけで」とか「遺骨は海に撒いて」といったことは、本人の希望を伝えるものとしては意味がありますが、強制力はありません。

法定遺言事項

3.遺言書作成に当たっての注意点は?

遺言書自体が遺族の争いの種になっては元も子もありません。

そのためには次のようなことに留意しましよう。

  1.  書き方(訂正がある場合は訂正の仕方)の決まりを守る。

  2.  誰にでもわかる明確な書き方をする。(財産が特定できなかった、幾通りもの解釈ができるようなあいまいな表現はしない。)

  3.  特定の相続人に極端に不利な内容にならないように留意する。(遺留分を侵害する内容があった場合は遺留分減殺請求がされることもありえます。)

  4.  相続人間で差をつける場合は生前に話しておくか、それができない時は遺言にその理由をあわせて付記しておくとよいでしょう。

4.遺言書をかいてもちゃんと実行されるの?

せっかく遺言書を残しても相続人の利害が対立してスムーズに相続が進まないことも考えられます。

このようなことを防いで遺言を適正かつ確実に実現させるには遺言執行者を指定しておく方法があります。 

 

遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務が与えられています。

 

また、「認知」と「相続人の廃除とその取消し」の執行は、遺言執行者しか行うことができませんので、このような遺言をした場合は必ず遺言執行者を指定しなければなりません。

5.いったん行った遺言の取消しはどうするの?

遺言はしたもののその後のいろんな事情の変化や自分の気持ちの変化で遺言を取り消したり変更したい場合が出てくることがあると思います。そのような場合でも大丈夫です。

 

遺言はその人が生存中であればいつでも自由に撤回したり変更したりすることができます。

 

遺言の取消しは遺言で行うことが原則ですが、他にも、次のようなもっと簡単な方法もあります。

  1.  遺言書を破棄する但し、公正証書遺言の場合は手元の正本を破棄しても撤回したことにはなりませんので注意が必要です。

  2. 内容が矛盾する遺言をする。複数の遺言がある場合は、日付の一番新しいものが優先されます。従って特段撤回の意思表示をしなくても前の遺言と内容が矛盾した遺言をあらたにすることで、前の遺言内容を取り消したことになります。

  3.  目的の財産を処分する。たとえば、ある人に遺贈することにして遺言書に書いてあった財産を、遺言者が生前に売却してしまったような場合には、遺贈の遺言を撤回したものとみなされます。

 

以上が民法で決められた撤回の方法ですが、遺言の内容を知っていたり、後に遺言書を見た相続人は心中穏やかではなくなる状況も考えられ、上記②、③のような遺言内容の変更は慎重にすべきです。


自筆証書遺言の場合は最初から書きなおしたほうが無難です。

 

なお、一度撤回した遺言を再度撤回して元の効力を回復することはできませんので、注意が必要です。

6.遺言するにはどんな方法があるの?

遺言の方法は民法に定められており、これに従ったものでなければ効力がありません。 

遺言の方式には、大きく普通方式と特別方式がありますが、特別方式は遺言者に危難が迫っている場合など特殊な状況下でなされるもので、通常は普通方式で作成することになります。

 

普通方式で一般的に用いられるているのは自筆証書遺言と公正証書遺言と秘密証書遺言の3つです。その3つを比較してみると次のとおりです。

7.自筆証書遺言の作成の決まりごとは?

自筆証書遺言を作成するうえで、最低限守らなくてはならないのは次の2つです。

 

①すべて(全文、日付、遺言者の氏名)を自書すること。

②遺言書に押印すること。

 

【全文自書について】※要件緩和の法改正(平成31年1月13日施行)

自書の趣旨は、筆跡によって本人が書いたものであることを判定でき、それ自体で遺言が遺言者の真意から書かれたものであることを保障することにあります。
この全文自書の要件は、特に高齢者にとって難儀で、遺言の作成を阻む

要因になっていたとの認識から法律改正(平成30年7月6日)により

次のようにだいぶ緩和されました。


すなわち

遺言の添付資料としての財産目録の作成については、その作成方法は
パソコン
ワープロソフト使用可能、代筆もOKとなりました。

さらに、土地建物については登記簿謄本(全部事項証明書)のコピー

でもOKとなり、預貯金についても通帳のコピーOKとなりました。

ただし、コピーされたものには必ずページごとに署名押印が必要です。
両面に印刷・コピーされている場合は両面に必要なので要注意です。 

【日付について】

遺言書作成の日付を年月日が特定できるように、必ず日まで書く。

特定できれば元号を用いても西暦を用いてもよい。

日付は、複数の遺言書があった場合に遺言書の前後を判断する基準となるため非常に重要です。


【署名について】

戸籍どおりの氏名を自書するのが基本ですが、その内容から本人が書いたことが明らかなときは雅号、芸名、通称などでも有効とされます。


【押印について】

印鑑は遺言者のものであれば、実印でも認印でもかまいません。本人の印鑑であることを証明しやすいという点では実印の方がベストです。また、拇印でも有効とされています。

 

【用紙、筆記具、書式について】

用紙や筆記具についての決まりはありませんが鉛筆は容易に改ざんされる危険がありますのでペンや万年筆などを使いましょう。


【訂正の方法について】

遺言内容に追加、削除、その他変更を加える場合は、偽造変造を防止するために、その方法は厳格に決められていて、この方法に基づかないものは変更の効力が生じません。

なので、追加、訂正等変更する場合は、面倒でも最初から書き直した方が良いかもしれません。

8.秘密証書遺言を作るにはどうすればいいの?

秘密証書遺言作成の大まかな流れは次のようになります。

 

①遺言書の記載

    ↓

②遺言書の封入、封印

    ↓

③証人2人の手配

    ↓

④封印した遺言書を持って公証役場へ行き公証人と証人2人の前に提出

    ↓

⑤公証人に対し自分の遺言書である旨などを申述

    ↓

⑥公証人が封紙に必要事項等を記載後、遺言者、証人2人が署名、押印

 

以下、留意点です。

 

【遺言書の記載について】

秘密証書遺言は自筆証書遺言と違い全文を自書しなくてもかまいません。ワープロやパソコンを使って書いてもかまわないですし、他の人に代書してもらってもかまいません。ただし署名は自書して押印する必要があります。

 

【日付について】

日付は遺言書自体には書かなくてもよいとされています。これは、公証人が封紙に記載することになる遺言証書を提出した日付が遺言をした確定日付となるからです。

 

【封入、封印について】

遺言内容を記載した遺言書を封入した後、遺言書に押印した印章と同じ印章で封印します。

 

【公証人への提出について】

封入、封印した遺言書を持って公証役場へ出向き、公証人と証人2人の前に提出します。証人2人についてはあらかじめ適当な人に依頼して承諾を得ておくか、適当な人がいない場合は事前に公証役場へ連絡して手配を依頼しておく必要があります。

また、提出時には遺言者は自分の遺言書である旨、及びその遺言書を代書してもらった場合はその者(ワープロ、パソコンの操作者も含みます)の氏名、住所を公証人に申述しければなりません。

 

【証人について】

次の者は証人にはなれませんので注意が必要です。

①未成年者

②推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族

③公証人の配偶者、四親等内の親族、書記官、使用人

 

【遺言書の保管について】

公正証書遺言書と違い、秘密証書遺言書は公証役場で保管してはくれません。あくまで自分の責任で保管管理することになります。

9.公正証書遺言を作るにはどうすればいいの?

公正証書遺言を作成したい人は公証役場に出向いて公証人に遺言内容を伝えることになりますが、できればあらかじめ遺言したい内容を自分なりに整理してメモを作っておくのがいいと思います。

 

また、遺言の作成には2人以上の証人の立会いが必要ですので、あらかじめ適任者を探して依頼しておく必要があります。

 

ただし、次の人は証人にはなれませんので注意が必要です。

① 未成年者

② 推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族

③ 公証人の配偶者、四親等内の親族、公証役場の書記及び雇人

 

証人には遺言の内容が知られることになりますので、信頼のおける人を選んで依頼することが大事です。もし知り合いに適当な人物がいない場合は行政書士や司法書士などの専門家に頼む方法もあります。また公証役場で紹介してもらうこともできます。

 

なお、当事務所でも証人、及び証人の手配をお引き受けいたします。

11.公正証書遺言作成に必要な費用は?

公正証書遺言をするには、当事務所への報酬、実費とは別に公証役場に対する以下の手数料等が必要です。

公証役場の手数料にも2種類あり、ひとつが証書作成手数料であり、もうひとつが遺言手数料です。

 

まず証書作成手数料算出の考え方は、1通の公正証書遺言書に記載されている法律行為ごとに相続財産の価額により定められた手数料を支払うという考え方になっています。

 

たとえば1通の遺言書のなかで3人の受遺者がいたとすると3件の法律行為が存在しますので、その3人の受遺者のもらう財産額で決まる手数料を合計したものが証書作成手数料になります。

 

遺言手数料はもらう財産の合計額が1億円以下の場合に定額を支払うことになります。

 

また、祭祀の主宰者の指定は相続、遺贈とは別個の法律行為となりますので、別に定額の手数料を支払うことになります。

 

この他に公証人が公証役場外へ出張しての執務となる場合には通常手数料が5割増しになるほか日当、旅費が別途必要になります。

<手数料の例>

3人の相続人の相続額をそれぞれ4000万円、2000万円、2000万円とし、そのうちの一人を祭祀主宰者に指定する遺言の場合

作成手数料(2万9千円+2万3千円+2万3千円)+遺言手数料(1万1千円)+祭祀主宰者指定の手数料(1万1千円)=9万7千円